『未来をここからプロジェクト』。報道ステーションでは『未来を人から』と題しまして、5日間連続で、時代の最先端を行く人たちに“未来”について聞いています。第1回目は、台湾のデジタル担当閣僚で、ソーシャルイノベーションとオープンガバメントを担当しているオードリー・タンさん(39)です。
オードリーさんを一躍有名にしたのが“マスクマップ”。今年2月、マスクの在庫が一目でわかるアプリを、わずか3日間で開発しました。デジタルの力で新型コロナウイルスを封じ込めたその手腕に世界が注目しています。
オードリー・タンさん:「デジタルは人と人をつなげます。ラジオやテレビの時代には、1人や2人が数百万人に向かって話した。ラジオやテレビでは数百万人の声を聞く方法がない。デジタルテクノロジーを使ったインターネットなら、数百万人の声を聞くことが可能になるし、数百万人が互いの声を聞くこともできる。それが民主主義を深めます」
デジタルが人と人をつなげ、新たな民主主義の形を作るというオードリーさんは、積極的に市民とSNSで交流を深めています。
オードリー・タンさん:「SNSは反社会的ではなく、社会性があることを示さなければならない。(SNS上の)激しい憤りは、根拠や科学で裏付けされる発想よりも、はるかに速く出回り、当然それが懸念されている。しかし、激しい憤りが全てが悪いわけではない。復讐や差別に使えば悪いが、共創に使えば社会を成長させる。パンデミックは私たちを家族や友人から引き離していますが、デジタルにより共通のコミュニティが共通の目標に取り組んでいます。これは、全世界が初めて感じたこと。コロナ後には、よりグローバルな問題に取り組める」
デジタルが明るい未来をもたらすと語るオードリーさんが、最も大事だと強調するのは“信頼”です。
オードリー・タンさん:「政府が国民を信頼すれば、国民は信頼できます。政府が国民を怖がって壁を作り遠ざければ、国民は政府だけでなく、互いを信頼できなくなります。
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